時を超える藍染め。1000年の伝統が生きる西アフリカの染色技術

 ジーンズやビジネススーツ、制服など、濃い青色をまとう機会は多い。青は人気色でもあり、2019年に行われた調査では40%の人々が青色を好きだと回答した。

 人々が青色の布をまとう歴史は深く、古代から植物由来の染色が行われてきた。およそ1000年前からの伝統をもつ西アフリカの藍染めも、現代までつづく青への探究を感じられる営みだ。

西アフリカの文様

 科学が発達し青色の染色技術が確立されるまでは、西洋の人々にとってはアフリカ人がまとう青色の布は神秘的なものだった。現在も西アフリカには多種多様な藍染め技術が伝わっている。

 たとえば、ナイジェリア南部のヨルバ族の染色技法アディレオニコ​をほどこした織物は、その複雑なデザインから一目見たら忘れられない印象を与えてくれる。

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 絞り染めによる濃淡をもつ細やかな模様は、同じように藍染めの文化をもつ日本人にはどこか親しみを感じられるものだ。こうした織物が遠く海を隔てた場所で生産されているのは、すこし不思議で興味深い。

中世カノ王国から続く伝統

 日本の伝統的な藍染めは主にアイダテという植物を原料にして布を染めるが、西アフリカではコマツナギの葉を原料にして行われる。

 コマツナギの学名をインディゴフェラといい、黒に近い深い藍色をインディゴと呼ぶのはこの植物に由来している。

 コマツナギの葉に水を加え容器の中で重ね発酵させ、次に2〜3日間太陽の下で乾燥させる。その後、乾燥した葉をボール状に丸めて染料として利用してきた。

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 西アフリカにおける藍染めのルーツは、古代から交易都市であるカノ(現ナイジェリアの都市)だ。

 10世紀から14世紀にかけてカノ王国として栄えた地であり、そにはアフリカ最古の染めもの作業所、コファル・マタがある。

コファル・マタにある染色ピット Image credit: ATI

 コファル・マタは500年以上前から一般に公開されており、織物やナイジェリアの初期の歴史に興味をもつ人々に人気のある観光地となっている。

アフリカ大陸最古の藍染めの今

 コファル・マタは現在も営業しているが、100ある染色ピット(染色に使われる地中に掘られた穴)のほとんどはゴミで埋められ使用されていない。

 手で一つ一つ染める伝統的な藍染めの衣服は、ナイジェリアの人々にとって毎日着るような普段着ではないため藍染めの需要がないのだ。また価格面でもアジアからの安い織物には勝てない。

 コファル・マタは観光収入によってかろうじて存続しているのが現状だ。

 日本では国内の染色業者が海外に出店し人気を集めた例もあるが、西アフリカの藍染めはどうなるのだろうか。歴史と伝統が息づく西アフリカの藍染め産業がこれからも続いていくことを願いたい。

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引用元:
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