
真夏のスイカ収穫から極寒の土地まで、広大な国ロシア
極寒の地、ロシア。日本の北に位置するシベリア地方では、世界最低気温マイナス71度を記録する街があることで知られていますが、それだけがロシアではありません。ロシアは世界で一番国土が広く、北は北極から、南はスイカが取れる温暖な気候まで様々な顔を見せてくれるのです。
極寒のロシアに・・・ラクダ!?
ここは南の街、アストラカーン。なんと、一頭のラクダが鉄道の線路を走っているではありませんか。列車の汽笛もどこ吹く風、気の向くままに駆けています。周りの風景からも分かる通り、私達がイメージしているロシアというよりも、どちらかと言うと砂漠地帯で有名な中東のような気候に近いのかもしれませんね。
実はアストラカーンでは、ラクダの飼育は一つの産業になっています。以前は誰からも見向きもされていなかったラクダですが、数年前に観光客誘致のためラクダレースを開催したところ、それが大反響を呼び、みんながこぞって飼育を始めるようになりました。
砂漠の交通手段だけじゃない、産業でも大活躍のラクダ
ラクダの飼育は牛の飼育よりも楽でお金がかからないことも産業化が進んだ一因です。ラクダは食肉として売られることが一般的ですが、ラクダのミルクやラクダ毛(キャメル)も売り物になります。日本ではキャメルは馴染みのない繊維ですが、その特長はふわふわとした柔らかい肌触り、加えて吸湿力や放湿力なども優れているため、欧州では高級天然毛として高値で取引されているのだとか。
意外に活発なラクダの管理、その驚きの方法とは?
ラクダ飼育の難点の一つは、放牧しているラクダが1日30キロも移動すること。馬で追いかけたり、牧羊犬で管理するのは昔の話。今は、GPS付のチップを体に埋め込んで、レーダーとヘリで巡回してラクダを管理しています。広大な土地ならではの近代的な管理方法だと言えます。それでも気が付いたら隣の国に入ってしまっていて、罰金を支払うこともあるそうです。
今回、ロシアの紹介というよりもラクダの印象だらけのお話になりましたが、ラクダレースもやっているなんて、ロシアへの興味はまだまだつきません!知られざるロシアの魅力、これからもどんどん紹介していきます。