聖書の世界を揺るがす一大発見か? イスラエルで発掘された「神の顔」

 ユダヤ教では神は可視化してはならないものとして扱われる。神を模した彫像や絵画などを創り崇めることは、偶像崇拝にあたり禁忌とされている。

 偶像崇拝の禁止は教典である旧約聖書でも幾度となく強調されるテーマだ。

 しかし近年の発掘調査により、実際には古代のユダヤ人たちが神を模した像を製作していたことが明らかになった。

「神の顔」の発見

 2010年にイスラエルの遺跡キルベット・ケイヤファで男性の頭部をかたどった像が発見された。紀元前10世紀ころに粘土で製作された像で、古代イスラエルのユダ王国の時代の遺物だとされている。

 男性の置物は非常にめずらしく、目と耳、鼻に特徴的な膨らみをもっていた。

 さらに2年後、別の場所でよく似た遺物が発見される。

 置物はすべて、かつて寺院や行政施設だった場所で見つかった。このことから顔を持つ置物が宗教的な意味をもつ遺物であると推測でき、像はユダヤ教の神をかたどったものであると指摘されている。

Khirbet Qeiyafa遺跡の発掘現場 image credit: Pixabay

偶像崇拝の否定

 ユダヤ教にかぎらず、教典を共有するキリスト教やイスラム教などの諸宗教も偶像崇拝を否定している。

 偶像は人間が作り出したものにすぎず、神そのものではない。人間が自分自身で産み出したものを崇める行為は、神に背く行為であり、自分自身を崇めているのと同じであるため、間違いであるとされている。

 この禁忌により19世紀まではユダヤ系の芸術家が世に出ることは少なかった。

 イスラム教でも偶像崇拝の禁止を固く守り、神(アラー)の彫像や絵画の代わりに、神の偏在性(無限の世界)を幾何学文様の反復で表現してきた。代表的な例としては、つる草や葉っぱをモチーフとしたアラベスク模様がある。

モスクのアラベスク模様 image credit: Bing

 キリスト教には諸派があるが、カトリックの教会では聖書の逸話や登場人物を描いた絵画や像などは、象徴としてとらえられている。マリア像やキリストの十字架を通して、神について考えることを認めているのだ。

 しかし一方でイスラエルの遺跡で見つかった「神の顔」の像のように、古代の人々は自由に神そのものの姿を想像し、かたちに残していたのかもしれない。

 古代の人々の生きた証である遺物は、歴史として語られる物語がすべてではないのだと現代の我々に語りかけてくる。

image credit: Pixabay

引用元:
All That's Interesting

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