300年を経てポーランドに帰ってきた奇跡の秘宝 琥珀のチェスセット

 欧米圏にかぎらず、チェスは全世界150か国以上で親しまれているボードゲームだ。

 市松模様のボードにキングやナイトなどのチェス駒をならべ、知略を競いあうゲームに夢中になるプレイヤーは多い。ボードや駒は一般的には木製だが、高価なチェスセットにもなると、その材質は木やプラスチックにはかぎらない。

 ポーランドの港町グダニスクには、世にもめずらしい琥珀製のチェスセットが保管されている。

琥珀の名産地グダニスク

 バルト海沿岸部は、現在、世界の琥珀の85%を産出している琥珀の名産地だ。

 なかでもポーランドの都市グダニスクは琥珀の生産において圧倒的な地位を築いており、世界中で愛されている純正琥珀アクセサリーのほとんどがこの地方で製造されている。

 まさに琥珀の街であるグダニスクには、近世の時代から職人たちがつどい、さまざまな宝飾品をつくりだしていた。

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 そうした背景のなかで、琥珀のチェスセットは産み出された。

 1690年頃、インテリアとしても注目を集めていたチェスセットに、大量の琥珀をもちいて飴色の装飾をほどこしたのだ。

 このチェスセットは、17世紀当時最高の琥珀職人のひとりであるマイケル・レドリンが手がけたものではないかと指摘されている。

数世紀におよぶチェスセットの旅路

 琥珀のチェスセットはグダニスクを離れ、オランダの首都アムステルダムに渡り、のちにスコットランドのブレア城までたどりついた。

 そして今年、故郷を離れて世界各地をめぐった琥珀のチェスセットは、300年の時をへてグダニスクに帰ってきた。最後の持ち主が売りに出したところ、グダニスク博物館が6,000万円以上(50万ユーロ)もの高値で買い取ったのだ。

 このチェスセットは2021年6月からグダニスクの美術館に展示される予定だ。

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美しくも繊細な宝石

 美術館のディレクターであるヴァルデマー・オソウスキーは、次のように述べている。

琥珀は壊れやすく繊細な宝石です。ほとんどの琥珀製品はくだけた断片として残るばかりで、多くの傑作が失われてしまいました

 天然樹脂の化石である琥珀は、モース硬度2~2.5ほどの硬さの鉱物で、柔らかい表面には簡単に傷をつけることができる。

 長期にわたって破損をふせぎながら保管するのはむずかしい材質なのだ。

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 そのため、このたびグダニスクにもどった琥珀のチェスセットは世にも希少な宝物であるといえる。チェス盤と32個の駒が壊れることなくそろって帰り着いたことは奇跡に近い。

 300年前の傑作は海を越えて故郷にもどり、バルト海の秘宝として丁重に扱われることになるだろう。

港町グダニスク photo credit: Bing

引用元:
The First News

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