世界で最も孤独な植物、ソテツ科の古代種

 誰しも一度は、人は孤独であると考えたことがあるはずだ。仲間や家族とわかりあえずに孤立している時、自分はひとりぼっちで寂しい存在なのだと悩むことはめずらしくはない。

 実は植物の世界にも孤独な種がいるのは知っているだろうか。

 ヤシの仲間であるソテツ科の古代種「エンケファラルトス・ウッディ」は、地球上でもっとも孤独な植物である。

古代種の2億年の歩み

 約2億年前、恐竜が地表を闊歩していた頃、エンケファラルトス・ウッディの仲間もそこかしこに自生していた。

 彼らは恐竜が絶滅した氷河期を超え、新種の植物と共存しながら生きながらえてきたが、だんだんと少なくなり、今日にはついにたった一つの雄株だけが残った。

 初期の猿人であるアウストラロピテクスがアフリカ大陸に出現したのは、約600万年前のことだ。ソテツ科の植物は、人類よりもはるかに長い時間を超えて種を存続してきたのだ。

 現在、エンケファラルトス・ウッディの一株はロンドンのキュー植物園に現存している。

 1895年、植物学者のジョン・メドレー・ウッドにより南アフリカのズールーランドから持ち帰られ、温室で保護されている。かつてアフリカ大陸に自生していたエンケファラルトス・ウッディは、1964年頃までには自然界からは消え失せてしまった。

 植物学者たちはこのめずらしい古代種を研究し、種子を残すことはできないかと試行錯誤を重ねたが、いまだ成功には至っていない。

photo credit: Pixabay

孤独な植物に家族が生まれない理由

 エンケファラルトス・ウッディの孤独には理由がある。現在、生き残っているのは雄株だけであり雌株は世界中のどこにも発見されていないのだ。

 エンケファラルトス・ウッディは雄花と雌花がそれぞれ別の個体についている雌雄異株の植物だ。雄個体は花粉をつくり、雌個体は実を結ぶ。種子を残すためには、雌花が受粉しなければならない。雌株が発見されないかぎり家族を増やすことはできないのだ。

 世界で最も孤独な植物は、ロンドンのキュー植物園で今日もひっそりと大地に立っている。

 植物園に移されてからの125年間もの孤独はどれほどの深さなのか。同じ地球上で生きる私たちが、どうしようもなく孤独を感じるときは、彼に想いを馳せてみるのはいかがだろうか。

photo credit: Pixabay

 

引用元:
ODDITYCENTRAL

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